和晒ができるまで
搬入
1.生地の搬入
お客様の生地を弊社内の生機(きばた)倉庫にて大切にお預かりさせていただいております。
晒加工前の生地は淡い茶褐色をしています。
釜入れ
2.釜に生地を入れる
カゴに生地を詰めていきます。その時に釜の中で出来るだけ均一に水が流れることをイメージしながら作業を行います。
そのカゴをクレーンを使って釜に入れます。
※昔はクレーンがないために、生地を直に釜に詰めていました。
コメント
釜入れ場は夏場、室内温度が50度を超えることもしばしば。一日にペットボトル3本分の水分を取りながら作業しています。釜出し
4.生地を釜から出す
出来上がった晒をクレーンを使って、釜から出します。
※昔は手作業で釜から晒を抜き取っていました。そのため、晒工程の中で一番の重労働でした。
脱水
5.釜焚きされた生地を脱水する
水分を多量に含み、カゴにきつく詰まっている晒生地を手作業で抜き取り、遠心分離機を使って脱水処理を行います。
脱水処理は、和晒の加工工程の中でも最も過酷で重労働な作業です。
また、遠心分離機への生地の詰め方が悪いと、遠心分離機がバランスを崩し、大きな事故につながる可能性のある危険な作業で
もあります。
コメント
脱水工程は安全に丁寧に早くがモットーです。私はこの作業を、晒屋の登竜門と呼んでいます。
乾燥
6.脱水した生地を乾燥させる
脱水工程を終えた晒生地の反末(生地の端)を出し、それをすべてミシンで繋いでいきます。
そして、つないだ生地を蒸気で熱せられたシリンダー乾燥機に通して生地を乾燥させます。
最近ではまり使用しなくなりましたが、もう一つの乾燥方法としまして、熱風乾燥を行うこともできます。
脱水処理を終えた晒生地を乾燥室の竿にかけて熱風を送りながらゆっくりと乾かします。
この乾燥方法のメリットは晒生地を水に浸けても縮まないことと、生地表面の毛羽が寝ないことです。
デメリットは釜や脱水工程で出来たシワが残ります。
※シルケット加工が不要の場合は、次に整理の工程へ移ります。
加工
7.シルケット加工(マーセライズ加工)
シルケット加工とは、晒加工を行った生地(綿・麻等)にシルクのような光沢を持たせる加工のことです。マーセライズ加工とも言います。
小巾織物を加工できる世界に1台しかない機械で、主に高級浴衣、高級手ぬぐい等、反応染料を用いたプリントに使用する生地にシルケット加工(マーセライズ加工)を施します。
この加工を施すことで、和晒特有のシワがなくなり、染色彩度と堅牢度があがり鮮やかで綺麗な仕上がりになります。
三共晒のこだわり
世界に一台しかない機械を所有していることを理由に決しておごることなく、常にお客様に良い加工を提供し続け、喜んでいただけるように努力しております。整理
8.ヤールタタミ
シリンダー乾燥またはシルケット加工を終えた生地を、ヤールタタミ機を使用し、用途に合わせて70cm~155cmの長さにた
たんでいきます。
<用途の一例>
※オートスクリーンで染色する場合は、12反続きのロング反が主流。
※注染工場、手捺染工場への納品時は、約20m~26mで疋カットか穴あけを施します。
※近隣のロール捺染工場へ納品する場合は、降り落ちで納品するために、この整理工程は不要となります。
三共晒のこだわり
晒生地の耳やタタミ口を綺麗にたたむように心がけております。ただし、生地の種類、湿度、気温、加工法等により生地がヤールタタミ機の上を滑る抵抗が変わるため、調整は安易ではありません。
※裁断
半自動スクリーンプリント、ハンドスクリーンプリントにて染色出来るように裁断機を使って、白和手拭いを作ることも可能です。
袋入れ
9.さらし反袋入れ作業
晒生地を約10mでカットして、袋詰めしていく作業です。
三共晒のこだわり
生地名、生地の入荷日、職布工場名、お客様名を一目で分かるようにして保管しております。